・ローソク足とは
・時間別ローソク足
・値動き別ローソク足
ローソク足とは
FXや株で価格推移を表すものをチャートといいます。
そのチャートの中でも代表的なものがローソク足チャートです。
具体的にローソク足チャートは特定期間における以下4つの値をもとにローソク形状で構成されたものです。
- 始値:最初の価格
- 安値:最安の価格
- 高値:最高の価格
- 終値:最後の価格
終値が始値より高く価格が上昇しているローソク足を陽線、終値が始値より低く価格が下落しているローソク足を陰線といいます。
1〜4の番号は価格推移の順番であり、最終的に上昇で終了したか下落で終了したかの2種類の値動きパターンが確認できます。
ローソク足は①始値②安値③高値④終値の4つを1本のローソクで表すので、値動きの中身にも注意する必要があるという例です。
注意
ローソク足を構成する値動きは2種類
ローソク足は価格分析のもっとも基本的なものであるが故とても重要です。
ローソク足はどのように分類され活用できるかみていきましょう。
時間別ローソク足
ローソク足は特定期間の価格推移を表します。
ローソク足の代表的な期間と名称を以下にまとめました。
ローソク足の代表的な期間
期間 | 呼び名 |
1ヶ月 | 月足(つきあし) |
1週間 | 週足(しゅうあし) |
1日 | 日足(ひあし) |
4時間 | 4時間足 |
1時間 | 1時間足 |
30分 | 30分足 |
15分 | 15分足 |
5分 | 5分足 |
1分 | 1分足 |
会社や取引ツールによっては10分足や2時間足などさらに細かい時間もありますが、上記9つの時間が見れれば取引には十分です。
9つの時間はFX取引ツールMT4におけるデフォルトであり、以下がMT4の画面です。
「MN」はMoNth(月)、W1は(1Week)、D1は(1Day)、H1は(1hour)、M1は(1Minute)です。
価格推移を見る際に長期と短期で見れると都合が良いからです。
例えば子どもの成長記録で1年ごとよりも1日ごとの方がより細かな変化を知れます。
つまり短期ローソク足では長期では見逃す細かな価格変化を捉えトレードに活かせます。
例えば月足チャートでは12本で1年分ですが、週足チャートの1年分は4週×12=48本です。
つまり週足チャートのローソク足でトレードすれば、4倍細かく価格を見ることができます。
このようにより短い時間のローソク足を見れば、より素早く価格の小さな変化をキャッチできます。
ローソク足の時間別分類
- 超短期足:1分足/5分足
- 短期足:15分足/30分足/1h足/4h足
- 中期足:日足/週足
- 長期足:月足
数十分以内に売買するような超短期トレーダーの場合、1h足や4h足は短期というより中期に分類するべきかもしれません。
ただここで述べたいことは、ローソク足の長期は「大波」、中期は「中波」、(超)短期は「小波」のような役目を果たすということです。
トレードでは大波にのるため小波にも着目し、複数時間のローソク足を活用しベストな波乗りタイミングを掴むことが必要です。
値動き別ローソク足
ローソク足は4つの値を元につくられます。
そして4つの値と値動きによって様々な形状となり、そのローソク足の連続が価格推移です。
実際のチャートではローソク足の形状はそれぞれ異なることが見て取れます。
ローソク足はその形状によって固有の意味をもち、今後の相場の行く末を示唆します。
ローソク足の形状は価格分析をする上で非常に重要となりますので、順にローソク足の形状とその意味を見ていきましょう。
①大陽線/大陰線
大陽線/大陰線とは実体の大きい陽線/陰線のことです。
実体が大きいというのが曖昧ですが、例えばドル/円であれば1円以上の値動きを目安とすると良いでしょう。
(ドル円/レートはおよそ100円、その1%以上は大きな値動きと考える)
ただ重要なことは大陽線/大陰線を厳密に定義することでなく、形状から価格分析に役立てることだと肝に銘じましょう。
坊主とはヒゲがないローソク足のことで、丸坊主とは上ヒゲも下ヒゲもないものです。※以下にローソク足とヒゲのおさらい図
また寄付(よりつき)、大引(おおひけ)とは株式用語でそれぞれ、最初についた価格と最後についた価格です。
つまり寄付=始値、大引=終値のことで、大引坊主は上ヒゲがない(終値=高値)、寄付坊主は下ヒゲがない(始値=安値)形状です。
おさらい:ローソク足とヒゲ
①陽の丸坊主は下ヒゲも上ヒゲもなく、始値から価格を下げず最後につけた終値が高値と非常に強い価格上昇を示しています。
②陽の大引坊主は上ヒゲがなく、終値が高値となっており主に終盤の価格上昇の強さを示しています。
③陰の寄付坊主は下ヒゲがなく、始値が安値となっており主に序盤の価格上昇の強さを示しています。
④は下ヒゲと上ヒゲがあるが、始値と終値の値幅である実体は大きく価格上昇の強さを示しています。
一般的な相場通念として、価格が一方的かつ直近価格が高いほど価格は強いと見なします。
これを基準にあえて順位をつけるなら、①陽の丸坊主>②陽の大引坊主/③陽の寄付坊主>④名称なしの順に上昇パワーは強いです。
ポイント
大陽線/大陰線を形成する値動きの意味から強さを考えよ
②小陽線/小陰線
小陽線/小陰線とは実体が小さい陽線/陽線を指します。
小陽線/小陰線でも実体が特に小さいものをコマ(極線)と呼びます。※コマが一般的
形状の通り小陽線は価格の先行きを示唆することはなく、価格の勢いがないレンジ(横ばい)相場であることを示します。
名称なしの単なる小陽線よりもコマの方が値動きが小さく、相場全体に迷いが生じていることをより表しています。
小陽線/小陰線
・連続するほど大きなトレンドを示唆
・方向感がなくトレードは控えめに
③下陰陽線/下陰陰線
下陰陽線/下陰陰線とは下ヒゲが長い陽線/陰線のことです。
下ヒゲが長いということは安値と終値の値幅が大きいということを表しています。
これは「価格は大きく下がったがそれは一時的なもので、現在は持ち直して来た」ということを意味します。
価格が下がり①買い手の損切り(=つまり損切り売り)、②新規の売りが多くなるほど価格は一気に急降下します。
その後損切り売りが一服した時、新規に売りたい人よりも買いたい人が多ければ多いほど価格は大きくリバウンド上昇します。
つまり売りたい人がほぼ居なくなり、買いたい人が圧倒的に多い状況です。
売りのピークであるセリング・クライマックスの終盤では、上陰線が出現し間も無く反転することがしばしばあります。
買いたい人がいない→価格下落
注意
安値圏(底)で出現した場合は反転注意
④上影陽線/下陰陰線
上陰陽線/上陰陰線とは上ヒゲが長い陽線/陰線のことです。
上ヒゲが長いということは高値と終値の値幅が大きいということを表しています。
これは「価格は大きく上がったが、それは一時的なもので持ちこたえたれなかった」というものです。
上陰線では下陰線と逆で、価格上昇圧力は一時的なものであり、現在は下落圧力が優位ということです。
上陰線は相場の天井付近で見られることが多く、バイイング・クライマックスと言われる最後の買いのピークとなることも多いです。
買いのピークを過ぎるともはや買いたい人はほぼ居なくなり価格は反転下落、その値動きが上陰線となってチャートに現れます。
注意
高値圏(天井)で出現した場合は反転注意
⑤寄引同時線
寄付(始値)と引け(終値)が同値のものを寄引同時線といいます。(よりひけどうじせん)
始値=終値となっているため陽線でも陰線でもない十字形状となっています。
その中でも高値と安値すらつけない単なる横線を四値同時線と呼びます。
寄引同時線は価格が上下した結果、最初の始値に価格が戻ってきて終値となっており、しばしば転換暗示となることがあります。
特に十字線でも上下に長い寄せ線、上ヒゲのみのトウバ、下ヒゲのみのトンボ、これらが相場の天底で出現した場合は重要なシグナルです。
寄せ線は買いと売りが拮抗しており、そう長くはない内に買い側か売り側どちらが勝つかの決着がつき相場が動き出すことを示唆します。
トウバは価格上昇後に急激に下押しを受けているため、天井圏で出現した場合は価格の下落転換を示唆します。
トンボは価格下降後に急激に上押しを受けているため、底値圏で出現した場合は価格の上昇転換を示唆します。
ポイント
天底の寄引同時線は転換示唆
ローソク足トレード
ローソク足トレードは期間が長いほど有効性が高くなりやすいです。
例えば1分足で大陽線が出たとしてもそれだけで上昇の勢いが強いましてや上昇トレンドにあるとは言えません。
しかしこれが月足の大陽線となれば、1ヶ月の値動きを踏まえてのものなので意味合いや信頼性は短期足とは比べ物になりません。
主にローソク足でトレードする場合はより長期のものを重視すると良いです。
その点も念頭に置き、具体的なローソク足トレードを見ていきましょう。
①トレンド時
トレンド時とは大陽線や大陰線がはっきりと確認でき価格が大きく変動している時です。
大陽線なら買い
大陰線なら売り
基本的にはローソク足の方向に沿ったトレードをします。
本サイトのスタンスとして、トレンドに逆らうトレードは特に初心者には推奨しません。
これはトレンドフォローが勝率も利益も高く、なにより損失を抑えやすいからです。
トレンドフォローでも特に日足以上の時間足で大陽線/大陰線が出れば、ローソク足の信頼性はより高くなります。
ただし注意しなければいけないのは、例えば買いで参入するといっても大陽線が出ればいつでも買って良いということではありません。
トレードは安い時に買って高い時に売るのが基本です。
そのため大陽線が出現して買いを検討する場合、短期のローソク足で価格が一時的に下がったタイミングで買うことを心がけましょう。
例えば短期ローソク足の底値圏で大陽線や下陰線(下ヒゲ)が出た場合に反転上昇に期待して買います。
短期のローソク足ではそこまで大きな値動きはないため、仮に反転しなくても損失が少なく済むことも大きなメリットです。
このように長期のローソク足はトレードの方向を、短期のローソク足はトレードのタイミングをはかるために使うのがベストです。
②底値/天井圏
底値/天井圏とは価格が最安(底)や最高(天井)付近を指します。
天井圏で長い上陰線(上ヒゲ)→売り
底値圏で長い下陰線(下ヒゲ)→買い
つまり逆張りトレードが有効となり得ます。
たしかに天井で上陰線、底で下陰線が出ても確実に反転するとは限りません。
ただ天井の上陰線では売り、底の下陰線での買いによってリスクを減らすことができます。
例えば買いポジションを持っていて天井付近で長い上陰線(上ヒゲ)が出た場合は、反転下落に備え「利益確定売り」をします。
同様に売りポジションんを持っていて底値付近で長い下陰線(下ヒゲ)が出た場合は、反転上昇に備え「利益確定買い」をします。
ポイント
・大陽線/大陰線が出ている時はトレンドフォロートレード
・天底で上陰線/下陰線が出た場合は価格反転に備え利食いや逆張り準備
ローソク足まとめ
ローソク足は時に1本でもトレンド継続や転換の大きな意味を持つこともあります。
しかしながら相場は単一のシグナルだけで先読みできるほど甘いものではありません。
ローソク足を複数の時間で確認する、形状から価格の趨勢(すうせい)を読み解く。
次回は本記事で学んだ基本事項を元に、複数時間/複数形状のローソク足トレードを見ていきたいと思います。