・グランビルの法則とはなにか
・買うポイント4つと売るポイント4つ
・グランビルの法則の実戦応用
グランビルの法則とは
グランビルの法則はアメリカの投資分析家ジョセフ・E・グランビルによって考案されたローソク足と移動平均線の位置関係から4つの売買ポイントを示したトレード理論です。
発案から50年以上の長きに渡りその有用性が証明されており、トレーダーでは知らない人はいないほどの超有名な法則です。
グランビルの法則は、トレンド相場における売買ポイントを示してくれます。
もし時を戻せるならば、このチャートのどこで買ってどこで売りたいでしょうか?
2012年頃の底で買い、2015〜2016年の天井付近で売れたなら最高ですよね笑
グランビルの法則をマスターすれば、大きなトレンドの底から天井付近までをとることも不可能ではありません。
グランビルの法則は売買ポイントを的確に示唆してくれるので、長期的で安定的に利益を出すためにはマスター必須です。
グランビルの法則での売買ポイント
グランビルの法則を説明しやすいようシンプルなモデル図を用います。
4つの買いポイント
買いポイント①〜④を順にみていきます。
移動平均線はローソク足(=価格)の平均です。下降していた移動平均線が上昇するということは価格がだんだんと上昇し、上昇トレンド転換の可能性を示唆します。
さらにこれまでの価格の平均である移動平均線をローソク足が上抜くということは、現時点の価格がこれまでの価格を上回り強気であるということを示します。
・ローソク足が移動平均線より上
ダブルの強気な状況とも言え、はじめに見た実際のチャートでは2012年〜2013年がこの買い①にあてはまります。
損切ポイント①は移動平均線を下回ったポイント、損切りポイント②は直近安値を下回ったポイントに示しました。相場に絶対はないので下落のリスク管理もしましょう!
2つ目の買いポイントは、移動平均線が上昇している時にローソク足が移動平均線を割りこんだ後に上昇したときです。
「押し目」と言われるポイントで、上昇相場で価格が一時的に下押してきた局面です。
鋭い人はこのような疑問をもつでしょう。
形成まで時間のかかる上昇トレンドは、一時的なローソク足の下落ではびくともしません。移動平均線の上昇トレンドを大波とすると、一時的なローソク足の下落は大波に逆らう小波です。
相場は上昇トレンドでも一方的に上昇するわけでなく、細かな上下動を繰り返しトータル上昇するもので、多少の下落は相場の一時休止あるいはつまづきのようなものです。
つまり移動平均線上向きの上昇トレンドにも関わらず、移動平均線を下回るほど価格が安い絶好の買い場となるのです。
ただし「リスク高」での買いは価格の下げ止まりが予測できないため推奨しません。また「リスク低」での買いは価格は少し高くなりますが、直近高値ブレイクでの買いであり比較的安全です。
とはいえ、買い②含めいずれのケースでも図のように損切りは確実に設定しましょう。
3つ目の買いポイントは、移動平均線が上向き時にローソク足が下落するも移動平均線にタッチせず再度上昇する場合です。
・移動平均線上向き→強気
・ローソク足 > 移動平均線→強気
これまでの説明からも文句なしの買いポイントです。買い③は浅い押し目買いポイントでもあり、多くの投資家の新規買いや追加買いが行われます。
ただこのような強く速い上昇トレンドで反転上昇時に飛びつき買いすると、一時的に激しく下落し含み損を抱えるリスクも高いです。
また値動きが強く激しいため損切りは少し深めでも良いです。。浅いとストップロス狩り(損切り注文まで価格を動かされる)で損切り後、レートがグンと上昇してしまいます。
・ストップ狩り注意
4つ目の買いポイントは、移動平均線が下向きの時にローソク足が移動平均線から大きく乖離する場合です。
ごもっともです。グランビル4兄弟でこの4番が1番問題児だと思ってます笑、ただそうも言わず以下3つの買うべき根拠を見ていきましょう。
- 移動平均線のマグネット効果
- 決済買いポイントとして利用
- 相場格言をふまえて
移動平均線のマグネット効果とは移動平均線からローソク足(価格)が大きく乖離してもいずれ移動平均線に引き寄せられるというものです。
なぜかというと、ローソク足と移動平均線が大きく乖離してもローソク足価格の平均が移動平均線となるので両者はそのうち必ず一致するからです。
そのため大きく乖離した買い④は買い場となるのです。
ただこのような超弱気相場で新規に買う際は、買った後にさらに下がるリスクも大きいので、以下のような購入ルール+図で示した損切りルールは必ず設定しましょう。
2つめの買う根拠は、売りポジションで利益が出た場合の買い(買い戻し)に使うということです。
FXは相対取引といい「買いたい人がいてはじめて売ることができます」通常いつでも売り買いできるので忘れがちですが、ここはとても重要なポイントです。
この超弱気ポイントでは売り手に対して買い手が圧倒的に少なく、売りにくい=価格を下げにくので、買い戻しやそれに乗じた新規買いで一時的に価格が上がることがよくあります。伸びすぎたゴムが戻る原理と同じです。
この自律反発を利用して売り(ショート)ポジションの含み益は、価格上昇する前に安値圏で買い戻しをするのが得策です。
3つめの根拠は相場格言からです。
「悲観で買い歓喜で売れ」
「人の行く裏に道あり花の山」
この格言は大衆と違う行動、みんなが買いたい時は売り、みんなが売りたい時は買いを意識することの重要性を的確に伝えています。
グランビルの買い④はまさにそのような場であり、バブル崩壊末期や金融ショック末期後に頻繁に価格の大暴騰(大きな価格上昇)が起きるのが良い例です。
4つの売りポイント
買いの4ポイントが認識できれば売りの4ポイントを理解したも同然です。では売り4ポイントを見ていきます。
(売り①)移動平均線が上昇後→横ばいから下降→ローソク足が移動平均線を上から下に抜く時
(売り②)移動平均線が下落している時にローソク足が移動平均線を下から上に抜いた時
(売り③)移動平均線が下落している時にローソク足が上昇するも移動平均線にタッチせず再度下落の時
(売り④)移動平均線が上向きの時にローソク足が移動平均線から大きく乖離した時
グランビルの買い①は、移動平均線が下降後→横ばいから上昇→ローソク足が移動平均線を下から上に抜く時
グランビルの売りポイント4つは買いポイント4つと「上と下」、「売りと買い」がまったく逆なだけで、考え方は一緒なのです笑
グランビルの法則まとめ
グランビルの法則の要点は以下です。
- 移動平均線とローソク足の関係から正しいトレンドを把握する
- 移動平均線とローソク足の関係から正しい売買ポイントを把握する
これまで「上がってきたから買おう」「下がってきたから買おう」という感覚を頼りにしてきた方も、グランビルの法則を知れば根拠をもって取引ができるようになります。
またグランビルの法則は主に「日足」と「200日移動平均線」で語られることが多いですが、それ以外の時間足や期間でも考え方は基本は同じです。
正しいトレンドと売買ポイントを抑えてトレンドに乗れさえすれば、少額の資金でも効率良く大きな資金へと変えることができます。私も海外口座ハイレバ+トレンドフォローで大きく利益を出しました。
グランビルの法則は相場の特性を的確にモデル化した点でその重要性は現代においても計り知れないと思います。