この記事でわかること
・テクニカル分析とは
・テクニカル分析が有効な3つの理由
・テクニカル分析は万能ではなく有能
テクニカル分析とは
FXをはじめたての人でもテクニカル分析という言葉は聞いたことがあるでしょうか。
テクニカル分析とは、価格チャートや各種ツールを用いて将来の価格予測をすることです。
テクニカル分析の最大の目的は、分析をもとに価格を予測し利益を上げることです。
もちろんテクニカル分析を学ぶことは必要不可欠ですが、それで勝てるほど甘くはないです。
仮にイチロー選手と似た背格好で道具やフォームを真似たとして、メジャーリーガーのスピードボールを打ち返せると思いますか?笑
テクニカル分析の表層ではなく、考え方と有効性の理解こそが勝つために重要です。
テクニカル分析が有効な3つの理由
テクニカル分析は「トレードで資金を増やす」意味において、「有効」かつ「必須」であるとまず断言しておきます。
テクニカル分析における「有効」とは以下のように定義できるかと思います。
テクニカル分析が有効とは
万事万能な確実なものでなく、過去実績より有効性が高いこと
当たり前ですが、将来の価格は不確実で誰一人として正確に予測はできません。
そこで有効となると、過去から現在まで望ましい実績があるものを有効と呼ぶしかないです。
一定数以上の患者に効果的な薬や治療を「有効」と呼ぶのとちょうど同じような考えです。
この疑問は3つの観点から回答できます。
- 予言の自己成就性
- トレード検証が可能
- プロスペクト理論の緩和
①予言の自己成就性
予言の自己成就性とは、一定数の個人が自らの予測や願望に沿った行動をとった場合、社会全体としてその通りの結果が出現することです。
初期コロナ渦のトイレットペーパー供給不安のデマがそうで、一定数以上が購入するとほんとうに供給不足となるような例です。
相場にも「予言の自己成就性」(じょうじゅせい)があります。
「この価格を超えたら価格が上がるだろう」
「この価格より価格は下回りにくいだろう」
多くの個人が意識するポイント(サポートやレジスタンス帯)では、個人の総意が実際の値動きとなるケースが「多い」です。
例えばドル/円が100円の時、多くの人がこれ以上下がることはないと予測すれば、予言は成就し100円以上になる可能性が高いです。
つまり予言の成就性を前提に考えた場合、そのポイントをテクニカル分析で導くことができればテクニカル分析は有効と言い換えられます。
✔︎サポートやレジスタンス
✔︎移動平均線
✔︎オシレーター指標
各種テクニカル指標で成就性の高いポイントを探すことがトレード攻略の鍵ともいえます。
※上記テクニカル指標による具体的なテクニカル分析は他記事もぜひご参考ください。
ポイント
多くの人が同じ行動をとりそうなポイントをテクニカル分析で探すべし!
②トレード検証が可能
テクニカル分析が有効な2つ目としてはトレードの検証が可能な点です。
例えば上昇トレンド相場の一時的な下げ局面で安く買う戦略をとったとします。
具体的には「25日移動平均線まで下げた(押し目)時に買おう」という場合です。
テクニカル分析ツールである移動平均線を使えば、テクニカル分析による勝率あるいは損益がどうかの検証が可能です。
利益を出している人は、過去のテクニカル分析からその瞬間に優位性の「高そうな」ものを選択し最終的に利益をあげます。
有効なテクニカル分析のためにもテクニカル分析を使ったトレードが有効であるという言い得て妙な話ですね笑
注意
テクニカル分析を使わなければ、有効性の検証や判断は難しい
③プロスペクト理論の緩和
プロスペクト理論とは簡単にいうと、利益の喜びより損失の苦痛が勝ると示した理論です。
プロスペクト理論によるトレードでは利益はすぐ確保して損失は回避する傾向が生まれます。
テクニカル分析はプロスペクト理論つまり感情を極力排除したトレードの一助となります。
具体例をみてみましょう。
テクニカル分析内容
価格が移動平均線まで下げた後に価格が上がると予想して買う
仮にこのテクニカル分析がハズレて移動平均線よりさらに下げたならば、即損切り(損失確定)をしなければなりません。
テクニカル分析の根拠で売買を決めた場合、その根拠から外れた場合は即座に負けを認め撤退するのが大原則です。
もし根拠がなければ、プロスペクト理論の通り損失は回避しようと膨らみ利益は増大を待てずに微益、これが戦略なき素人がトレードで絶対に勝てない明白な理由です。
テクニカル分析による根拠ある売買を行えば、早く利確したい、まだ損切りしたくないというプロスペクト理論を排除しやすくなります。
ポイント
テクニカル分析の根拠で感情という魔物に対抗せよ
テクニカル分析は万能ではなく有能
ここまでテクニカル分析の有効性を以下3つの観点からお話しました。
- 予言の自己成就性
- トレードの検証可能
- プロスペクト理論の緩和
テクニカル分析によって予言の自己成就性が高い確率的に優位なポイントを探し、分析の根拠の成否を検証し、プロスペクト理論を緩和することで損失を少なく利益を大きくします。
ただテクニカル分析は相場環境によって有効度合いが異なるのも事実です。
テクニカル分析はアタリハズレの短絡的評価ではなく、トレードで利益を出すための万能薬ではなく有効薬と心得ましょう。
当たり前ですが将来の価格は不安定かつ不確実であり、優れたテクニカル分析をもってしても相場を正確に予想できることはありません。
評論家やアナリストは予想が仕事です。厳しい言い方をすれば、予想に責任をとる必要はありませんしそのうち当たります。
良きトレーダーは予想に価値をおきません。
「価格チャートが上か下に動くかなんてわからないよ。右に動くことだけはわかるけどね」という一流トレーダーの皮肉があるくらいです笑
テクニカル分析の考え方と有効性の根幹を理解していれば、具体的に学ぶテクニカル分析手法がトレードスキルを大きく向上するはずです!