・テクニカルツールとは
・テクニカルツール選びの3つのポイント
・テクニカルツールの落とし穴とまとめ
テクニカルツールなに使えば良いの?
テクニカルツールとはテクニカル分析をする時の道具(ツール)のことです。
例えば過去の価格推移をグラフ化する移動平均線はテクニカルツールの代表で、移動平均線の向きによって今後の価格を予測します。
テクニカル分析についてはじめて聞いたような方は以下の記事をおすすめしています。
本記事ではテクニカル分析に用いる各種ツールの考え方と使い分けに焦点をあてています。
代表的なテクニカルツール
・移動平均線
・一目均衡表/MACD/ボリンジャーバンド
・RSI/ROC/ストキャスティクス
テクニカルツールは有名なもので10〜ほど、マイナーなものや組み合わせも含めると優に100を超えます。
何を使うかは「ご飯は何を使って食べるか?」テクニカルツールも同じように考えられます。
お箸を使うことが多くても、カレーにお箸、スープにフォークは適していないですよね。
テクニカルツールを何をいつ使うのかをわかることがまずは重要です。
定食ならお箸、カレーならスプーン、フルーツならフォークを選びご飯を食べるのと同じように、どのテクニカルツールをいつ使うかを理解し使うことが必要です。
過去の記事含めテクニカル分析の一般通念として、テクニカルツールは万事万能なものはなくその都度検討と選択が必要です。
そこでテクニカルツールごとの詳細説明は他記事に譲るとしても、本記事では数あるテクニカルツールの選び方を解説していこうと思います。
最終的に目指すところは「テクニカルツールを使って勝つ」ことで、やるべきはツールを細かく暗記することではないと考えているからです。
2.テクニカルツール選びの3つのポイント
どのテクニカルツールを使うかは十人十色ですが、テクニカルツールの選び方には基準や王道があります。
ここでも理解を深めるために例をとってみましょう。野球でもサッカーでもみなさんが日本代表の監督だとしたら代表選出の基準は何にしますか?
テクニカルツール選択もまさに代表選出基準と同じで、以下にまとめられます。
✔︎過去から実績が証明されている手法
✔︎現在の相場環境にあった手法
✔︎多くの人から支持される手法
- 相場環境に合わせる
- トレードスタイルに合わせる
- 視認性+数値性をもたせる
1.相場環境に合わせる
相場環境とは価格に方向性があるのか、それともないのかということです。
価格に方向感があるかないか(トレンドが相場か否か)でテクニカルツールを以下のように使い分ける必要があります。
トレンド相場(上昇トレンド)の場合
移動平均線より価格が上にある時(現在価格>過去の平均価格)は、現在の価格は強気で基本的に買い目線です。
上昇トレンドでは価格が過去の平均価格まで下げた後に再び上昇することも多く、移動平均線などトレンド系テクニカルツールを売買に使うと有効です。
※上記はグランビの法則に基づく
この記事でわかること ・グランビルの法則とはなにか ・買うポイント4つと売るポイント4つ ・グランビルの法則の実戦応用 グランビルの法則とは グランビルの法則はアメリカの投資分析家ジョセフ・E・グランビルによって考案さ[…]
レンジ相場の場合
レンジ相場とは価格の方向感がない相場のことで、このような時に役に立つのが「オシレーター指標」です。
オシレーターとは(振り子)のことで、過去の価格推移や値動きの大きさから現在の価格を数値化し、振り子のように動くことからそう呼ばれます。
画像では方向感のない69〜70円の価格と連動して、オシレーター系指標が買われすぎ(80)と売られすぎ(20)の水準を振り子のように動いています。
このようなレンジ相場では、価格がレンジ下限かつオシレーター売られすぎで買い、価格がレンジ上限かつオシレーター買われすぎで売りが有効です。
ちなみに上部2本の赤線は移動平均線で、価格と同じく方向感がないためレンジ相場ではほとんど役に立ちません。
トレンド相場でもトレンド指標だけでなくオシレーターも補助指標として重要であり、レンジ相場でもトレンド指標は役に立つということです。
例えば上昇トレンド相場でのオシレーターの売られ過ぎは新規買いのチャンス、買われ過ぎは価格の一時休止を示唆することもあります。
レンジ相場ではトレンド系指標はほとんど役に立ちませんが、より細かい時間では価格が上下するその初動を捉えるためには使えます。まとめると、
トレンド相場=価格に方向感がある相場
トレンド系指標(移動平均線など)
→売買する方向を決定する
オシレーター系指標(補助)
→売買するタイミングを決定する
レンジ相場=価格に方向感がない相場
オシレーター系指標(RSIなど)
→売買するタイミングを決定する
トレンド指標(補助)
→細かい時間でのトレンド発生を知る
医者は問診や触診、レントゲンとさまざまなツールで患者の健康状態を分析します。
テクニカル分析も同じように、単一よりも複数のツールの分析結果を勘案して価格分析する方が良いことは言うまでもありません。
・トレンド相場ではトレンド系指標を軸に、オシレーター指標で買われ過ぎや売られ過ぎを注視する。
・レンジ相場ではオシレーター系指標を軸に、より細かい時間帯ではトレンド系指標でトレンドの発生を確認する
・レンジ相場は取引しないのがベストな時もある。
2.トレードスタイルに合わせる
トレードスタイルとは、売買の手法や売買の保有時間など各人のトレードの仕方です。
トレードスタイル例
・順張り(トレンドフォロー)or 逆張り(カウンタートレード)・・・手法
・スキャルピング or デイトレード or スイングトレード ・・・時間
例えば順張り(トレンドフォーロー)で1〜3ヶ月のスイングトレードの場合、適切なテクニカルツールは長期の方向感を一目で捉えられる移動平均線です。
具体的には日足チャートで移動平均線を25期間、75期間、200期間とし、3本がパーフェストオーダー(上昇の場合3本の移動平均線が上から25、75、200と並ぶ)の間は価格が強気なので保有すれば効率的に大きな利益を出しやすいです。
上記のような昇トレンドが出ている場合、オシレーター系指標はしばしば買われすぎ状態を示します。
買われすぎは利益確定の1つの目安にもなりますが、力強い上昇トレンドではオシレーターが買われすぎ水準をしばらく推移し続けることがよくあります。
オシレーター系指標はトレンドがない時やトレンド末期でその効果が最も発揮され、まさにトレンドの最中では有効性が低下しやすいです。
「順張りで1〜3ヶ月のスイングトレードを前提としたトレードスタイル」の場合、移動平均などのトレンド系指標を採用し売買判断に使うのが最良です。
これが短期的な価格の動きを狙い撃ちするスキャルピングトレードの場合、逆張り(カウンタートレード)のためにオシレーター系指標を用いることが最適かもしれません。
重要なことは自分のトレードスタイルで利益を大きくできるテクニカルツールは何か?を考え採用することです。
3.視認性+数値性をもたせる
視認性+数値性を持たせるとは、ローソク足や移動平均線など一目でわかる「視認性」の他に、「数値性」をもつテクニカルツールも選ぶべきということです。
例えばテクニカルツールは移動平均線だけを使用し、上向きの移動平均線まで価格が下がった場合買う戦略をとったとします。(2章1参考)
ところが実際の相場では価格が再度上昇する前に移動平均線までぴったり下げることは稀です。(加えて各人が使用する移動平均線の期間も異なる問題もある)
つまり視認性のみでは、良いポイント「付近」や価格の「方向感」はわかりますが、売買のタイミングや根拠をまさに決定するにはいささか不十分なのです。
エントリー(参入)やイグジット(退出)に曖昧さが残るほどトレードの振返りや検証を困難にし、長期での安定したパフォーマンスに悪影響を与えます。
例えば視認性のテクニカルツールに加えて、数値性のあるテクニカルツールを併用すると曖昧さは解消されやすく売買リスク軽減にも繋がりやすいです。
テクニカルツール(視認性+数値性)
「移動平均線下抜け+RSI20以下で買い」
「移動平均線下抜け+水平抵抗線(抵抗価格)割込まないので買い」
このように数値が明確なオシレーター系指標、直近安値から引いた水平線など、視認性の他に数値性があるテクニカルツールを選ぶことが大変おすすめです。
テクニカルツールの落とし穴とまとめ
テクニカルツールは相場環境やトレードスタイル次第であり、万事万能なテクニカルツールはありません。
「移動平均線を使うだけのシンプルトレードで月利◯◯を達成した手法」
「ボリンジャーバンドと◯◯と◯◯を組み合わせた勝率◯◯%の手法」
巷ではもうありすぎの煽り過ぎで笑
稼いでいる人やプロだけが使う魔法のツールやインジケーター、あるいは自動で楽して儲かるツールがあるのではないかと思ってしまいます。
過度な期待を抱き情報商材に夢見るだけならまだしも、詐欺まがいの手口で大事なお金を失わないためにも、
地道に学び多くの相場経験を積むことこそが何より重要です。(耳タコかもしれませんが、うまい話はないのですよ…笑)
相場環境とトレードスタイルに合ったテクニカルツールを使用するのがベストであり、シンプルなテクニカルツールを用いています。
トレードの振り返りをもとにテクニカルツールをアジャストすることが重要です。
みなさんそれぞれに合ったテクニカルツールを検討できるよう今後も記事を深めていくとともに、最後に参考になりそうなサイトを掲載して本記事を終えます。
→登録不要でブラウザやアプリで見れる無料チャートで豊富なテクニカルツールが用意されています。多機能で非常におすすめです。
→世界中のトレーダーが採用しているMT4という取引ツールです。
国内口座ではほぼ使えませんが、私の使用しているXM口座や多くの海外口座では使えます。国内口座よりも多くのテクニカルツールが使えておすすめです。