「FX」とは(初学者向け)

この記事でわかること

・FXとは?

・FXのメリット

・FXのデメリット

 

FXとは何か?

FXとは「Foreign Exchange」の略で、外国為替証拠金取引(がいこくかわせしょうこきんとりひき)という意味です。

為替(かわせ)とは交換のことで、外国為替とは外国通貨との交換のことを表し、証拠金とは交換に必要な元手資金のことを指します。

ニュースで聞いたことのある「東京外国為替市場では先日より◯円銭の円高ドル安となりました」これもFXForeign Exchange)に関する内容です。

円高や円安という言葉は身近でイメージできますが、実際のFX(外国為替)市場ではどのような人が何を目的に参加しているのでしょうか?

FXの参加者

FXには大きく2種類のプレイヤーがいます。

  • 投機筋
  • 実需筋

投機筋

一般的に「FX」という言葉は、利益を目的とした外国通貨交換の意味で使われ、利益を目的に売買する主体を投機筋といいます。

投機と投資は似た言葉ですが、投資よりも比較的短期的かつリスクの多い投資を表現する場合に使われます。

もちろん規模の大小はありますが、多くの個人トレーダーも売買利益を目的としている点では投機筋にあたります。

実需筋

実需筋とは売買利益を主目的とせず、実際の需要(実需)で通貨交換をする主体です。

実需とは例えば、アメリカに自動車を輸出して代金をドルで受けとり、日本の従業員への給料支払いのためドルから円に交換するというものです。

実需筋とはいえ、1ドルが100円より110円の時に円に交換する(ドルを売って円を買う)方が当然儲かります。※より多くの円が手に入るため

ただ実需筋は売買で利益を出すためではなく、あくまで実際の資金需要(実需)のために外国為替市場に参加している人たちです。

このように外国為替市場では思惑の違う主に2種類のプレイヤーが参加しています。

FXで得する損する仕組み

FXでは異なる通貨の売買をして「差益」を狙います。その際の利益には2種類あります。

  • キャピタルゲイン
  • インカムゲイン

まずキャピタルゲインから説明します。

この図では1ドルが100円の時にドルを買う、つまり100円と1ドルを交換します。

買った1ドルが100円→101円になった時にドルを売ると1円の利益となります。この売買利益をキャピタルゲインといいます。

逆に買った1ドルが100円→99円になった時にドルを売ると1円の損失となります。この売買損失をキャピタルロスといいます。

次に同じような以下の図をみてみましょう。

ドル円101円と99円からともに青い実線が引かれており、ドルを保有していれば価格の上下に依らず利益が出ています。

保有するだけで利益となるものをインカムゲインといい、FXではスワップ金利という金利収入がインカムゲインです。

これは銀行預金であれば預金金利、株式投資であれば配当金に相当するものです。

スワップ金利とは異なる通貨間の「中央銀行政策金利」を調整した図のようなものです。

※中央銀行政策金利とは、日本では日銀が一般の銀行に資金を貸し出す際の金利です。

つまりドル/円を買った場合は、アメリカ政策金利2.00%と日本政策金利-0.1%の差し引き2.1%が購入したドルに対してプラススワップ金利として付与されます。

逆にドル/円を売った場合は-2.1%のマイナススワップ金利が発生します。(金利支払い)

おさらい

FXは外国通貨間の交換のこと

参加者は実需筋と投機筋2つに大別

キャピタルゲインとインカムゲインの2つの利益がある

FXのメリット

FXのメリットは、「少額で」「いつでも」「自由な取引ができる」ことです。それは具体的にどのようなことか見ていきましょう。

少ない元手で取引可能

FXで一番の鍵となるのは「レバレッジ(てこ)」という言葉で、これは元手以上の何倍の取引ができるかというものです。

上図では1単位の円と1単位のドルは等しいことを示しています。

これは1単位の円で1単位のドルが購入可能ということで、1単位に対して1単位購入できることをレバレッジ1倍といいます。

では下図ではどうでしょうか?1単位の円で購入できるドルは5単位に増えました。これをレバレッジ5倍といいます。

実際に海外口座XMの場合では888倍、国内でも最大25倍までのレバレッジ取引が可能です。(てこが効く)

このようにFXの最大のメリットはレバレッジで元手以上の金額の取引ができる点です。

いま資金がそれほどない人でも資金を大きく増やせるチャンスがあるのがFXなのです。

24時間取引できる

レバレッジが効くというメリットと同じく大きなメリットが24時間取引です。

会社員の方なら仕事、主婦の方なら家事、学生の方なら勉強、と多くの方は日中は本業に時間を割いていると思います。

24時間取引が可能なFXであれば、みなさんのライフスタイルを維持したまま取引ができるので大きなメリットになります。

 

 
トラッキー
なんで24時間取引が可能なの?

 

外国為替市場は世界中に売買できる場所があり、全世界の市場が連続的につながることで24時間取引が可能となっています。

以下は各国の主要な外国為替市場の取引時間状況をまとめたものです。

日付変更線に近いニュージーランドのウェリントン市場からはじまりニューヨーク市場まで途切れることなく取引が行われます。

世界3大市場と言われるのがロンドン市場、ニューヨーク市場、東京市場なので、特にロンドン市場とニューヨーク市場が重なる23時〜1時までは非常に取引が活発です。

このように1日の終わり就寝前の活発な時間で取引するなど、本業の合間に自らの都合と目的にあった取引が可能なのです。

売りから取引できる

売りから取引できるというのはどういうことでしょうか?図をみてみましょう。

売りから入るとはドルを売って日本円にする(日本円を買う)ことで、先ほどのドルを買うために日本円を支払う(日本円を売る)と逆のケースです。

ドル買いならばドルが手元に入るイメージはわきやすいですが、ドルを売るとは手元にないドルをあたかも売っているかのようで「空売り」とも呼ばれます。

そしてなぜ売りから入るのかと言うと、ドル/円の価格が下がる(円高)と予想して下がった場合に利益となるからです。

買いから入るだけでは価格が上がらないと利益はでませんが、売りから入れることで下がっていても利益を出すことができます。

上げでも下げでも利益を出せる収益機会の広さもFXの大きなメリットなのです。

このようにFXは「資金」「時間」「手法」の3つの観点から他の投資商品よりも自由度がダントツに高いのです。

 FXのメリットまとめ

・資金がなくてもレバレッジがある

・時間がなくても24時間取引ができる

・買いたくなくても売ることができる

FXのリスク

ここまではFXの良いところばかりでしたが、物事に良し悪しの両面があるようにリスクも当然あります。

考えられる代表的なリスクをあげましたが、為替変動リスク以外はそこまで気にする必要がないです。その理由を説明していきます。

  1. 為替変動リスク
  2. 金利変動リスク
  3. 流動性リスク
  4. 信用リスク
  5. オンラインリスク

為替変動リスク

為替変動リスクとは為替レート(交換比率)が変動するリスクのことですが、特に為替変動で損をするリスクのことをいいます。

以下図のような為替レートが100円から99円へと変動してキャピタルロスとなるリスクのことです。

当然ですが為替が有利に変動すれば利益、不利に変動すれば損失がでます。

ただFXはそもそも為替の変動リスクを利用して利益を出すものなので、為替変動リスクはむしろ歓迎すべきです笑

為替リスクという言葉は、外貨預金や外貨建て保険で「年利が高くておすすめですが、為替リスクで円建て資産が減る可能性もあります」などのケースで主に使われます。

金利変動リスク

金利変動リスクとは文字通り金利が変更となってしまうリスクです。

一般的に各国の中央銀行は景気が良い時には金利を引き上げ、景気が悪い時には金利を引き下げて景気をコントロールします。

※景気が良い時は借り手も多く貸し出し金利を高く、悪い時には借り手が少ないので安い金利で借りてもらおうとします。

図では現在の日米政策金利の実際を表したもので、アメリカ金利は2019年10月の現時点で2.00から1.75%へと景気後退懸念から引き下げられました。

そのためドルを買っていた人は、金利収入のスワップ金利が0.25%減ってしまいました。

このように金利は各国の経済事情や中央銀行政策で一定の変動リスクがあります。

流動性リスク

流動性とは交換のしやすさのことで、買いたい時に買えて、売りたい時に売れるほど流動性が高いといえます。

流動性の高いものはFXや株、低いものは不動産や積立保険(積立投資)などです。

ただ投資の世界でよく聞く流動性リスクという言葉ですがFXでは無視できます。

なぜかというと、外国為替市場は1日の取引額が500兆円の超巨大市場であり、日本の年間国家予算300兆円超を優に超えます。

そのような市場では常に一定の買いたい人と売りたい人が存在するので、ドルや円といったメジャー通貨の流動性がなくなることは考えられません。

むしろ流動性リスクが問題となるのは、マイナー株や不人気株が暴落しているときに買い手が極端に少なくて売れずに損失が膨らむケースが主なところです。

信用リスク

信用リスクとはFX会社が倒産して預けた資金が返ってこないリスクのことです。また単に会社倒産のリスクを信用リスクと呼ぶこともあります。

どの会社であれ会社である以上は倒産のリスクは0ではありませんし、多くはないですが破綻したFX会社があるのも事実です。

ただこのようなことは当然頻繁に発生しませんし、少ないリスクにそれほどナーバスになる必要はない気がします。

実際に私の使用している海外FX業者XMの場合は会社の資産と顧客預かり資産を分別保管していますし、国内の多くのFX会社でも信託保全といって顧客資産は別のところで保管されているからです。

オンラインリスク

オンラインリスクとはインターネットやサーバー不良のリスクのことです。

例えば停電でWi-Fiが使えない時に買っていたドルが売れずに損をしてしまった。あるいはFX会社のサーバーにトラブルがあり注文できずに損をしたなどです。

ただこのような緊急事態は多くないでしょうし、さらにそれが注文しないと大損害を被るケースであることはさらに少ないでしょう。